麻のレースカーテンの選定

梁と柱のみ残してフルリノベをした築45年のお家。

そのカーテンの相談を受けました。

現場訪問すると、

梁を意匠目的に残して、上手に開放感ある間取りで仕上げられ、見事なものでした。

フルリノベは、新築より技術や経験を要し、はるかに難しいと聞きますから、

経験豊かな職人さんや設計管理の、なせる技だと思いました。

また建材の地産地消を唱える工務店さんで、愛知県産の杉を内装材で多用していて、
部屋中に木の香りが漂っていました。

そして、そこに合わせるカーテンは何がいいの?となり、
天然素材の麻カーテンが候補に上がりました。

麻カーテンといっても、厚さや透け感、風合いや艶感、
そして価格も幅がある生地なのです。

いろいろ勘案して、
ご提案できる生地を取り寄せてみました。

麻レースカーテン各種

生地価格が4,400円/mから23,800円/mの5倍の開きがあります。

値段による特長の違いとして、

糸が細く織りが緻密なると、価格が高くなる傾向があります。

カーテンにすると、品のいいシワ感とウェーブが整う仕立てが得られます。

艶が増してくる生地は高級品となります。
麻の産地は、ベルギー・フランスなど

糸が太くザックリした風合いは価格が安くなります。

シワを楽しむ、ナチュラルな雰囲気のカーテンとなります。

糸の節が目立ちますが、それも魅力として考えます。
麻の産地は、インド リトアニア

ザックリ言うと、
そういったところでしょうか。

先ず、レース(透ける)カーテンの選定において
2つの生地を提示しました。

輸入代理店フジエテキスタイルから出ている
キリという透ける麻生地

糸が適度に細く、品のいいシワ感を楽しめるものとして提案しました。

キリ:麻100% 10800円/m 生地幅319cm イタリア
麻(リネン)レースカーテン

こちらも輸入代理店フジエテキスタイルから出ている
リノという透ける麻生地

糸が太くザックリした、ナチュラルさを感じるものとして提案しました。

リノ:麻100% 4,400円/m 生地幅137cm インド
麻(リネン)レースカーテン

キリは、広幅ヨコ使い生地で、繋ぎ目が無いカーテンに仕上げる事ができます。

仕立て上げた時の品のいいシワ感を楽しめる事と
継ぎ目が無い方が見栄えがイイよね!

となりキリを採用頂きました。

麻生地はお値段に関係無く、他の素材のカーテンより以下の要素もありますので、記述します。

・シワがつきやすい(アイロン掛けでとれます)→シワも魅力と捉えることも出来る

・伸縮があります(丈200cmのカーテンで5cm~10cm)→調湿性に優れている

・匂いがする場合がある→時間が経てば軽減する

・糸の節がある→生地のデザイン・魅力として捉えることも出来る

・縫製がしにくい→カーテン専門の縫製所なら技術力はある

・耐光堅牢度が低い→麻本来の雰囲気を楽しむ分には良い

最後に、お客様からも聞かれたのですが、

麻はシーツやテーブルウェアとして使われていて、丈夫でタフな生地ですよね!?

そうではあるのですが、
カーテンの場合は、紫外線や熱に晒される環境下になるのです

よって、
他の天然繊維(綿や絹)と同様、化学繊維より紫外線で劣化しやすい、と答えました。

今回のお家では、
軒がすごく長く、日が差し込まない窓である事と、麻の雰囲気をしっかり楽しみたいご要望から
レースにおいても、麻生地を採用しました。

当店はキャッシュレス還元事業の対象店です。