今回ご紹介するのは、吸音目的に付けたベルベット仕切りカーテンの事例です。
階段から伝わってくる音をカーテンで吸音して軽減したいご要望を受け、通路と繋がる開口にベルベットを二重にしたカーテンを付けました。
ベルベットは、パイル(立毛)のある生地で、一般のカーテン生地より音を吸収する性能に優れ、残響音の軽減にもなります。
ピアノ室などのカーテンに良く採用されます。
低音より中高音域の方の吸収があります。
500Hz(男性の声)から上の音域を吸収します。
残響音が少なく音環境が整うことは、心地よい空間にも繋がります。
生地裏にアクリル樹脂コーティングした生地で、外からの騒音を遮る、遮音カーテンとしてあるのですが、生地風合いが乏しいものばかりです。
装飾性も加味しなければならず、今事例はベルベットを採用しています。
今回こだわったのは、通路から見ても階段側から見ても同じ見栄えになる様に、二重にしたカーテンを無双縫製で仕上げ、更にウェーブスタイルにしたところです。
無双縫製は、2枚の生地の端を縫って裏返し、縫い目が表に出ないようにする縫製です。
ウェーブスタイルは、フラットなヒダでありながら、吊元が均一で美しいウェーブを作られるスタイルのこと。
無双縫製でこのウェーブスタイルを作るには、ポイントは吊元の縫製と吊り方です。
生地の両内側に芯地を縫い付け、それぞれの芯地にフックを付けます。
2本のフックを、向かい合うように1つのランナーに掛けて、吊り込む方法をとります。
そうすると、通路側から見ても階段側からみても、表としてきれいな吊元が出来上がりました。
レールに、ピッチキープコードを仕込みましたので、カーテンを開け閉めしても、吊元の均一で美しいウェーブは保たれます。
今回の採用生地は、綿ベルベット防炎品(ロンデー収録全20色)
通路側ラベンダー、階段側グレーで色です。
今事例は、防炎防火対象建物になりますので、防炎ラベル(二)の規定生地で選んでいます。
表示ラベルをカーテンにちょう付け(貼る)しました。
防炎ラベル(二)は、縫い付けではなく、ちょう付け(貼る)方法です。
防炎ラベル(二)は、洗濯後は再防炎処理の必要があります。
おそらく、洗濯したらラベルは剥がれ落ち、性能が消える事を狙ったのかもしれません。
また生地メーカーからの補助ラベルは出ません。
この点は今回初めて知りました。
今事例は、新幹線豊橋駅歩いてすぐのウェディング&撮影スタジオ施設
今回もありがとうございました。