リビングの掃き出しの大窓2か所+小窓2か所のカーテンの吊り替えをさせて頂きました。
今まで吊られたカーテンは、木立に鳥が描かれた大きなデザインのワインレッド色綿プリントで、素敵な生地でした。
カーテンに造詣が深いご様子で、デザイン性豊かな輸入生地をお探しで、遠方よりご来店くださいました。
ウィリアムモリスの人気は続く
ウィリアムモリスは、カーテンにおいて今や名実ともに日本では一番のデザインブランドではないでしょうか。
お客様は数ある輸入生地の中で、ウィリアムモリスのデザインに魅了され、特にその中でも「いちご泥棒」がお気に入りの様子でした。
「いちご泥棒」は、
モリスの夏の別荘「ケルムスコット・マナー」の家庭菜園から、ツグミが苺を盗んでいる様子を描いたもの、
当時も今も、ウィリア:モリスの中で最も有名で人気のデザインとなっています。
以前投稿した、ケルムスコット・マナーを訪ねた時のブログは、こちら↓
いちご泥棒とケルムスコットマナー
いちご泥棒の生地は、
MORRIS&COサンダーソン社と、ライセンス品の川島織物セルコン社が発売されています。
MORRIS&COサンダーソン社の生地は、プリントで緻密にカラーやデザインが表現された綿100%
マナトレーディングのマナテックスBOOKに全色収録され、国内在庫しています。
川島織物セルコン社の生地は、ジャガード織でデザインが表現され、織の持つ重厚感が特徴です。
余談ですが、1875年設立のモリス商会は1940年一度倒産しますが、サンダーソン社がモリスの登録商標と壁紙を買い取ります。
またリバティー社が所有していた「いちご泥棒」版権は今は手放されて、サンダーソン社に移っています。
事例採用生地
「いちご泥棒:GRAPE/GOLD」 MORRIS&COサンダーソン社
吊り替えたリビング窓:
南側:幅3300×高2350㎜×2か所
北側:幅930×高1940㎜×2か所
色で雰囲気が違う
初回打合せでは、INDIGO/MINERALとCRIMSON/SLATEの2色が候補に挙がっていたのですが、実際の窓に掲げてサンプル試着をしたところ、
家具類との調和や思い描く雰囲気より派手に写りました。
INDIGO(インディコ)/MINERAL(ミネラル)
CRIMSON(紅色)/SLATE(スレート)
そこで落ち着いた雰囲気を醸し出す、濃い目の色GRAPE(グレイプ)/GOLD(ゴールド)の採用に至りました。
因みに、
CHOCOLATE/SLATE
SLATE/VELLUMの色もあります。
縫製仕様:2倍ひだ(生地幅137㎝×5幅使い)裏地付き
ヒダをたっぷりとり裏地を付けた、豪華な仕様
裏地には、日差しが強く当たる窓を考慮して、遮熱と遮光の機能性を高めた、遮光1級のサテン生地を付けました。
デザイン性の高いカーテンは、「柄取り」も大切となります。
・カーテンとシェードの柄合わせ
・ツグミが切れない
以上を考慮して仕立てました。
カーテンとシェードのツグミの高さが揃っている(←で示したツグミの位置)
柄合わせを上部をから始めます。
考慮した結果、ツグミが切れない柄取りとなりました。
縫製への指示は、柄の始まりを明確にするだけです。
以下の図を追加した指示書を、加工所へ入れています。
こうすれば、再問い合わせなくオーダーが進みます。
要尺計算では、1リピート余分の発注をお忘れなく。