レースカーテンの紫外線(UV)カット率を測定してみた

大型連休が終わり、だんだん日差しが強くなり、まぶしいなと感じるようになってきました。

紫外線が気になる季節の到来です。

紫外線

 

この時期になると、「紫外線(UV)を遮るレースカーテンはどれですか」と尋ねられます。

レースカーテンは、家具・調度品、床材の退色やお肌の日焼けの原因となる「紫外線の軽減」の役目もあります。

 

紫外線カットの高いレースカーテンはどれですか?となるのですが、

ざっくり言うと下記3つの特性のあるレースになるので、考え方として抑えといてください。

・生地の目が詰っている

・生地裏面が鏡面(ミラー糸や金属蒸着)

・糸自身が紫外線を吸収する

 

カーテンメーカー各社は、販売促進をするため、一般的なレースカーテンより遮蔽率の高いものに対し、表示マークを付けてアピールしています。

特に、分光光度計を用いた「紫外線カット素材の加工効果統一評価法」で、遮蔽率70%以上のレースに、NIF機能表示マーク「UVカット」がつけられています。

この測定は、生地片を使い測定器内で測ったものです。

UVカットマーク

 

今回、実際にお部屋に吊った状態ならどうなのかと、紫外線強度計という測定器を使い、大型連休中に測ってみました。

いつくかのカーテンメーカーのレースカーテン吊りサンプルを、実際に個室窓のレールに吊り、同条件で測定しています。

 

測定の概要の説明

場所:戸建て2階 南掃き出し窓(愛知県半田市)

日時:2021年5月6日午後12時(快晴 気温23度)
紫外線透過測定

測定器:紫外線強度計 サトテックUV-340A ST (測定範囲290㎚~390㎚ UVA.UVB)

測定条件:ガラスサッシ(LOW-E)から1m離れた床上

紫外線強度計

紫外線透過測定

 

ガラスサッシを開けた紫外線量は、213UW/ CM²でした。

紫外線強度計

ガラスサッシを閉めた状態の紫外線量

紫外線透過測定

23UW/ CM²でした。

 
吊りサンプル(幅75㎝×高230㎝・2倍ヒダ)を実際にレールに吊り、測定開始です。

 
薄地プレーンボイルレース(E8335・アスワン)UVカットマーク無し
23UW/ CM²→12UW/ CM² 52%カット

 

薄地麻ライクレース(ML3557・シンコー)UVカットマーク無し
23UW/ CM²→8UW/ CM² 65%カット

 

ステンレス蒸着レース(MASA加工・積水ナノコート)UVカットマーク無し
23UW/ CM²→8UW/ CM² 65%カット

 

ミラーレース(AZ4573・シンコー)UVカットマーク有(シンコー基準)
23UW/ CM²→4UW/ CM² 82%カット

 

ウェーブロンレース(ML3619・シンコー)UVカットマーク有(シンコー基準)
ML3619生地23UW/ CM²→4UW/ CM² 82%カット

 

凉しやΩレース(E7242・アスワン)UVカットマーク有(NIF基準)
23UW/ CM²→2UW/ CM² 91%カット

 

ミラーレース(AZ4587・シンコー)UVカットマーク有(NIF基準)

23UW/ CM²→1UW/ CM² 95%カット

測定してみた結果

紫外線カット率の違いは、前述の

①生地の目が詰っている
②生地裏面が鏡面(ミラー糸や金属蒸着)
③糸自身が紫外線を吸収する

①>②>③順で、効果に表れてくるように思います。

生地の目が詰まったレースは、高いカット率が得られています。

紫外線が気になる方へ、
生地の目が詰まり厚手で、ミラータイプのレースが一番高い紫外線カットが期待できそうです。

 

※なお、紫外線強度計は分光光度計と違い、測り方やメーカーの基準によって、数値に開きがでるようです。
数値自体は、一つの目安として捉えてください。